2015/10/11 現在のネパールの状況を報告します

 現在のネパールの状態(注意しなければならないこと。特に登山やトレッキングを予定している方々へ)

 ネパールの制憲議会は2015年9月16日に新憲法の草案を採択しました。
 憲法の内容については日本の外務省の情報を見てください。
 連邦民主共和制になります。
 憲法草案の審議過程で政党、部族間でかなり激しいやり取りがあり各地で死者が出る紛争が起こっていました。
 ようやく草案の採択となり落ち着いたかに見えますが注意しなければならない別のトラブルが発生していますのでご注意ください。
 現地エージェントによく確認し出かける前に計画を検討してください。
 タライ地域(インドに接する熱帯平原地域)でのストライキが解決すれば問題ありません。

  1.ネパール全土で極端にガソリン、天然ガスが不足している。
   カトマンズではほとんど自家用車、タクシーが走っていない。バスは走っている。
   わずかに走っているタクシーは法外な値段を要求される。たとえば5〜10倍程度。観光客の中心繁華街であるタメルの入口でしか空のタクシーは見つけられない。
   ガソリンスタンドは給油待ちの車が数キロにわたり止まっている。
   給油待ちの車が放置されているのでガソリンスタンドの周辺は交通渋滞が発生する。
   カトマンズ全体では車が走っていないのでスモッグもなくスイスイ車が走る。
   ホテルでも調理用のLPガス(ボンベ)が不足している。地方ではもっとLPガス不足が発生している。エベレスト街道は現在OK。
   小生が利用したエージェントであるコスモトレックでは経営者用自家用車もガソリンがなく止まっていた。ディーゼル車(軽油)のみかろうじて稼働。

  2.停電が始まった。
   6月〜9月まではほとんど停電がなかった(雨季で水力発電にたよるネパールでは雨季は電力事情がよい)。
   10月9日から停電(不定期)が始まった。石油がないので自家発電もできなくなる。

   3.このままではネパール全土で暴動が起こる可能性が高い
   ネパールで最大の“ダサイン”の祭りが10月中旬から始まるがガソリンのストックは数日しか持たないだろうとの観測がある。
   政府は石油を大型輸送機で空輸することも検討しているとの情報がある。

   4.原因はインドと折り合いが悪いため。
   憲法草案がタライの住民にとって不満がある。国境でストライキが発生し、ネパールのインド系住民が物資輸送を阻止している。 インドからネパールへの陸路輸送(ガソリンも含め)ができない。
   陸路でネパール入りしたトレッカーは国境で数キロにわたりトラックが止まっておりインド人、ネパール人の行き来が阻止されていると言っていた。
   外国人の国境通過はできる。
   不確実ですがバックでインドが糸を引いているとの噂もある。
   インドにとって新憲法草案は気にいらない様子。ネパールは意のままになる国と思っている。ネパール人のインド嫌いの原因の一つ。

  5.地震の影響はほとんどない。
   ランタン谷など一部を除いて観光客(トレッカー、登山隊も)の受け入れ態勢はできた。
   観光産業は大打撃。観光省は山岳マラソン(エベレストBC→ナムチェバザール。10月5日)をバックアップするなどPRに努めている。
   欧米人6割減、日本人8割減とのこと。





  9月30日〜10月10日までネパールに滞在していた現地情報です。
                                    和田豊司